Vernaccia di Oristano
- TOMOKO Fujita

- 2018年8月2日
- 読了時間: 3分
更新日:2018年10月24日
オリスターノのティルソ川下流でのみ作られている白ワイン、ベルナッチャ ディ
オリスターノ。
遡ること紀元前約1200年頃のカブラス、Sa Osaと呼ばれた地域のヌラーゲから
その種が発見されたヴェルナッチャ。時代を経て古代ローマ人たちがSa Osaに
上陸した時にヴェルナッチャを見て、これまで知られていなかったぶどう品種だと
認識、この地域のみの土着品種”Vernaculun”(ラテン語で先住民の意)と定義づけた。
こうして現在まで何世紀にも渡ってぶどう栽培はこの地域を代表する作物の役割を
維持して来た。
1971年にサルデーニャで初のDOCとして認可されているヴェルナッチャ ディ
オリスターノはアルコール度数が普通のワインより高いが、マルサラワインのように
酒精を添加したものではなく、自然発酵による。また甘口ワインではない。
その作り方は独特で9月中旬から10月初旬にかけてヴェンデミア(ぶどう摘み)が
行われぶどうを絞って自然発酵させ、3月頃に発酵が終わった後、その絞り汁を栗
またはオークの樽に樽の満杯の量の75~80%量移し替える。それによりフロールと
呼ばれる黄色がかった白い酵母、独特の有用微生物が発生する。フロールは最初、
島のように所々に発生し、やがて絞り汁の上全体に膜を張る。フロールは容易に
発生するものではなく、アルコール度数が14,5%以下だと酢に変化し、16%以上だと
フロール自体が死んでしまう。
しかしうまくフロールが発生すると糖を代謝してアルコール発酵が行われ、
ヴェルナッチャ特有の香りの元であるアルデヒドを生成し、長い熟成中の過度の
酸化をも防ぐ。このフロールの膜がより速く、より厚く、より濃く形成されることに
より、ヴェルナッチャの品質が最高のものとなる。
膜は一定の厚さに達すると樽の底に沈み、柔軟性のあるフィルターとして機能し、
ワインを透明にし、柔らかい色合いにする。また木の樽を使うことによりアルコール
分子よりも小さい水の分子だけが樽板から蒸発し、凝縮されたアルコール分となる。
それにより年に0,5~0,8%アルコール度数が増し、10年以上経ったものは20%以上の
アルコール度数となることもある。
<ヴェルナッチャ ディ オリスターノの種類と特徴>
● ヴェルナッチャ ディ オリスターノ
*栗またはオークの樽で熟成期間 24ヶ月以上
*最低15%のアルコール度数
*金色がかった黄色~琥珀色
*デリケートなアルコール香、アーモンドの花の香り
*軽い味わい、後味にかすかに苦アーモンドを感じる
*魚介料理全般、ボッタルガ、アーモンドの焼き菓子
● ヴェルナッチャ ディ オリスターノ スペリオーレ
*栗またはオークの樽で熟成期間 36ヶ月以上
*最低15,50%のアルコール度数
*金色がかった黄色~琥珀色
*デリケートなアルコール香、アーモンドの花の香り
*軽い味わい、後味にかすかに苦アーモンドを感じる
*魚介料理全般、ボッタルガ、アーモンドの焼き菓子
● ヴェルナッチャ ディ オリスターノ リゼルヴァ
*栗またはオークの樽で熟成期間 48ヶ月以上
*最低15,50%のアルコール度数
*金色がかった黄色~琥珀色
*デリケートなアルコール香、アーモンドの花の香り
*軽い味わい、後味にかすかに苦アーモンドを感じる
*魚介料理全般、ボッタルガ、ペコリーノチーズ、アーモンドの焼き菓子
主なカンティーナ
写真はCantina Contini
地下にあるプライベート カンティーナには50年近く前のものも(写真左端)
ガラス越しに樽を覗くとフロールが見える(写真左から2枚め)
他のワインの熟成庫とは違い、自然な温度で窓も開けっ放し(写真右端)、これは
この地域の日中と朝晩の気温差が大きく湿気がある気候がヴェルナッチャの熟成に
適しているから。
ちなみに私はまったくの下戸です、スミマセン😅😅🤣🤣🤣














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